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SACLAに学ぶこれからの科学者の情報発信のあり方 - 科学者は科学を市民にとって身近なものにしなければならない

 

独立行政法人 理化学研究所 放射光科学総合研究センター X線自由電子レーザー施設「SACLA」の公開しているムービー「未来光子 播磨サクラ」のクオリティーがすさまじいと話題になっています。

 
 このムービーに対して、理研はどこで何をどう間違ったのか、ということが書かれていますが、僕は、日本がもつ世界をリードするすばらしい科学技術を日本の人々、特に若者に興味を持ってもらいたいという理研の思いがこのようなムービーを作成させたのだと思います。
 
 現在の私たちの豊かな生活は科学なくしてあり得ません。
 
そして、科学は経済の「土台」であり、経済規模の拡大は科学の発展により支えられています。
 
このように科学は私たちにとって、とても重要なものであるにもかかわらず、日本人の科学に対する関心はとても低いように思えます。
 
例えば、「サイエンティフィック・アメリカン」という海外の一般向けの科学雑誌はアメリカ国内だけで、毎月50万部が売れていますが、サイエンティフィック・アメリカンの日本語版である「日経サイエンス」の日本での部数は20分の1にすぎません。
 
アメリカの人口は日本の人口のだいたい2.5倍なので、いかにアメリカ人が科学に対してとても高い関心を持っているかがわかります。
 
 日本人はもっと科学に興味を持たなければいけません。私たちがもっと科学に興味を持つことで、日本政府はもっと日本の科学を重要視するようになって、より多くのお金を日本の科学の発展のために投資するようになるかもしれません。
 
また、科学者を目指す若者が増えるかもしれません。
 
このように、より多くの日本人が科学に対して高い関心を持つことが、日本の科学を発展させていくためにとても重要です。
 
私たち日本人の科学に対する関心がこの先もずっと低いままであれば、日本の科学の発展は滞り、経済も衰えて私たちの生活はとても苦しくなってしまうかもしれません。
 
 日本人がもっと科学に対して高い関心を持つようになるためには、科学にあまり携わっていない一般の人々よりも日本の科学者が変わられければいけないと思います。
 
これからの科学者は、科学にあまり携わっていない一般の人々とのコミュニケーションを見下し、孤高の研究者を気取っているようではいけません。

自分たちの研究成果や科学技術を、科学にあまり携わっていない一般の人々にわかりやすく、そして興味を持ってもらえるように発表していかなければいけません。

今回、理研が公開したムービーは、科学者が自分たちの科学技術に興味を持ってもらえるよう科学にあまり携わっていない一般の人々に歩み寄った良い例だと思います。