オミクス博士のブログ

薬学の博士課程のブログ

科学が明らかにする子育てにおける父の必要性


 父親は外で働き、母親は育児に専念すべき、そんな時代はもう終わりました。

ビジネスで活躍している女性はだんだんと増えてきていますし、これからもどんどん増えていくでしょう。

男性も女性も外で働くようになったのですから、育児も女性だけに任せるのではなく男性も積極的に育児に関わって、女性の育児の負担を軽くする必要があります。

さらに、最近の研究で男性の育児参加は女性の育児の負担を軽くするだけではなく、子供の精神面にも良い影響を及ぼすことがわかってきました。

ScienceDailyが伝えているニュースを紹介します。

McGill大学ヘルスセンター研究所は、子供の成長期の期間に父親がいないことは、子供の社会技能や行動能力を損なわせることを示唆する実験結果を示した。
今回の研究結果は"Cerebral Cortex"という雑誌で発表されている。
実験対象は人ではなく、カリフォルニアマウスだが、このマウスは一夫一婦制であり、子育ても夫婦で一緒に行うため人ととても似ている。 
 実験では、母親と父親両方に育てられたマウスと母親だけに育てられたマウスの社会的行動と脳の形態が比較された。
その結果、母親だけに育てられたマウスは母親と父親両方に育てられたマウスにくらべて、社会交流に異常が認められ、加えてより攻撃的であった。
このような影響は男児よりも女児でより強く見られた。
母親のみに育てられたメスの子マウスは、他のマウスにくらべて覚せい剤であるアンフェタミンに、より強い感受性を示すこともわかった。
 今回のマウスを用いた実験で示された行動的な欠陥は、母親のみに育てられた人の子供の研究結果に一致している。
母親のみに育てられた子供は常軌を逸した行動を起こしやすいことが示されていて、特に女児で薬物を乱用する危険性が高いことが示されている。
これは、今回の実験に用いたマウスが、人の子育てを研究するためのよいモデルであることを示唆している。
 母親のみに育てられた子マウスには、行動の欠陥に結びつく社会的能力と認知能力をコントロールするのを助ける脳の部分である前頭前皮質に欠陥があることもわかった。

 
 夫婦が一緒に育児をすることは、子供の健康な精神発達のためにとても重要なんですね。

男性は奥さんのためだけではなく、子供のためにも積極的に育児に参加すべきだと思います。

photo by Giovani Blank